千葉県木更津市の自宅マンションで同市議の石川哲久(のりひさ)さん(71)が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された長女の夫、石川祥一容疑者(44)=岡山市東区=が「恨みがあった」などと供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。市議の後継指名を撤回されたことについて不満を持っていたといい、県警は動機につながるとみて調べている。
後継指名、白紙になり逆恨みか 市議刺殺容疑の娘の夫
捜査関係者によると、祥一容疑者は石川さんの長女と家庭内暴力などを理由に離婚協議中で、別居していた。また、石川さんから昨春に市議の後継候補に指名されたが、その後、白紙に戻されていた。祥一容疑者はこうした事情を説明した上で「(石川さんを)恨んでいた。殺意はなかった」などと供述しているという。
また、祥一容疑者が包丁と金づちを凶器として使っていた疑いがあることも捜査関係者への取材でわかった。千葉県警の捜査員が10日未明に東京都内で祥一容疑者を発見した際、持っていたリュックサックの中から、血の付いた包丁と金づちが見つかったという。石川さんは頭部が骨折している可能性が高く、刺し傷も10カ所近くあったといい、県警は司法解剖で詳しい死因を調べる。
祥一容疑者の逮捕容疑は9日午後7時20分ごろから午後8時50分ごろ、家にいた石川さんの頭部を鈍器のようなもので殴るなどしたうえ、刃物のようなもので胸や腕を刺して殺害したというもの。