騎手の武豊さんの親戚をかたって「勝つ馬がわかる」とうそをつき、訪れた京都市内のすし店の板前から2万円をだまし取ったとして、京都府警は12日、住所不定で無職の菊本輝昭容疑者(72)を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。府警には1月以降、同様の誘いを受けたという相談がほかに計7件あり、菊本容疑者は「ほかにもやった」と供述しているという。
東山署によると、逮捕容疑は1月8日昼過ぎ、日本中央競馬会(JRA)の調教師になりすまし、板前の男性に「間違いなく勝つから代行して馬券を買ったる。いくら持ってる?」と尋ね、現金を詐取したというもの。日本中央競馬会の実在する元調教師の名前が書かれた偽の名刺を渡し、「武豊の親戚だ」と伝えたという。代行して買うとしたレースは架空のものだった。
板前の男性は取材に「親戚だから『今度、豊をつれてくるわ』と言い、名刺も出してきたので信じてしまった」と話した。開店前の仕込み中に「予約がしたい」と来店し、雑談で競馬の話になったという。「競馬に詳しいので信じてしまった。絶対当たるなんて話はあるはずないのに」と悔やんだ。
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朝日新聞の取材によると、京都…