国産マンゴーの生産が今年は好調だ。「指宿マンゴー」の産地、鹿児島県指宿市では6月からの旬を前に、農園への予約が相次いでいる。同産地のマンゴーは味に定評があり、手頃な価格でファンも多い。観光農園「マンゴーの森」を営む有村隆雄社長(73)は「農園を始めてから20年。史上最高の出来になりそう」と話す。
農園では1キログラム(2玉)入り5千円で直売している。糖度は平均16度程度で、甘みに加えてうまみもあるのが特徴。毎年訪れる人もいるが、昨年は収穫量が少なく、十分販売できなかった。「今年は、多くの人に食べてもらい、指宿のマンゴーのおいしさを広めたい」(有村さん)。今年は昨年より3トン弱多い10トンの販売を見込む。
有村さんによると、ピーク時に18軒だった市内のマンゴー農家は現在10軒に。不採算が理由といい、有村さんも何度もやめようと思ったという。
指宿市農政課によると、2017年度の市内の生産量は前年度比約15%増の42・6トン。生産額は10年度に1億円以上だったが、最近は6千万円台にとどまる。同課によると、マンゴー栽培の第一人者とされる庄野直道さんが1980年代、同市で本格的な栽培を始め、市内での生産が盛んになったという。(佐藤亜季)