国連安全保障理事会で対北朝鮮制裁の履行状況を監視する専門家パネルが、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の高級車ロールスロイスは、同国へのぜいたく品の輸出を禁じた制裁決議に「明白に違反している」と最新の報告書で断定した。
報告書によると、昨年10月に平壌を訪問したポンペオ米国務長官との会談で、正恩氏が会場に乗り付けた車がロールスロイスだった。報告書には、米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の映像が証拠として掲載されている。
パネルによると、この車はロールスロイスの旗艦車「ファントム」のリムジン。ファントムは英エリザベス女王が公用車で使い、最新型の価格は英国で約35万ポンド(約5180万円)から。パネルが製造元に問い合わせたところ、2012年8月~17年2月に英グッドウッドの工場で生産されたものとみられることがわかった。さらに流通経路を継続して調べる方針。
パネルは17年1月にバングラデシュの税関で差し押さえられたロールスロイスの高級セダン、ゴースト1台についても調査中。北朝鮮の外交官が虚偽申告した疑いがある。パネルは「北朝鮮の外交官が制裁回避の重要な役割を担っている」と繰り返し指摘してきた。
またパネルは、正恩氏の中国や…