4月からの「残業時間の罰則つき上限規制」導入を前に、過労死遺族を助ける弁護士グループが「厚生労働省が長時間労働の認定を厳しくしている」と指摘している。厚労省は「認定方法は変えていない」と否定するが、どうなのか。
「働き方改革関連法の施行をひかえ、厚労省の指導で、各地の労働局や労働基準監督署が異常な労働時間隠しをしている」。「過労死弁護団全国連絡会議」幹事長の川人(かわひと)博弁護士が11日、都内の会見で訴えた。
川人氏は約30年間、多くの過労死事件の遺族側代理人を務めてきた。訴えた根拠は最近「不認定」とされた二つの労災申請という。
一つ目は、大型クレーン車販売会社(横浜市)の営業職の男性(当時26)が2016年5月に急性循環不全になり出張先の三重県内のホテルで亡くなったケースだ。鶴見労基署(横浜市)が今年2月21日に労災不支給を決めた。
遺族側によると、男性は東北か…