賃金未払いやパワハラなどに苦しむ技能実習生ら外国人労働者を助ける労働組合に、1人の中国人がいます。日本の労働運動の仕組みを学び、労働条件の改善に15年にわたり取り組んできました。
2月末、「岐阜一般労働組合」(岐阜市)第二外国人支部で支部長を務める甄凱(ケンカイ)さん(60)は、ごろごろとスーツケースを引き、愛媛県今治市の縫製会社に向かった。
そこで働く中国人の技能実習生3人からSNSを通じ、「3月に実習期間が終わるが、残業代がずっと払われていない」と相談されていた。労働時間や賃金の支払い状況を示す資料はメールですでにもらっていた。
昼休み中の3人と会社近くのコ…