剣豪宮本武蔵の半生を描く「夢現無双(むげんむそう)」が宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で上演中だ。月組トップスター珠城(たまき)りょうと、今公演で退団する美弥(みや)るりかが、剣豪同士の気迫あふれる決闘をみせる。併演のレビュー「クルンテープ 天使の都」では、タイをテーマにきらびやかな世界が繰り広げられる。
「夢現無双」は、吉川英治のベストセラーが原作。武蔵を主役に据えた大劇場作品は、歌劇105年の歴史で、意外にも初めてという。脚本・演出は斎藤吉正。
珠城は「武蔵は武骨で男っぽいイメージ。立ち回りも好きですし、宝塚でしかできない日本物の伝統を引き継いでいきたい」。強くなろうともがき、土臭さを感じさせる前半、剣さばきも洗練される後半と、成長をしっかり見せた。大劇場お披露目となる美園(みその)さくらはお通役。みずみずしい歌声での登場シーンが印象的だった。
武蔵の好敵手となる小次郎は、…