緊急避妊薬が、医療機関に行かずにオンライン診療によって手に入るようになる見通しになった。専門知識を持った医師が診るなどが条件となるが、望まない妊娠を避けたい女性が緊急避妊薬を入手しやすくなると期待される。
東京都新宿区の診療所で、年間約350件の緊急避妊薬を処方しているという産婦人科医の対馬ルリ子さんは、「このうち1割ほどが性暴力の被害者」と話す。中には「たった今、レイプされた」「先輩に無理やりされた」などと性暴力の被害に遭ったと打ち明ける女性もいるという。
ただし、女性に交際相手がいて「自分の生活を守りたい」と感じたり、加害者との人間関係の悪化を懸念したりして、被害を公にしたがらない女性がほとんどという。
対馬さんは「日本では避妊方法の選択肢が少ないにもかかわらず、避妊の失敗や中絶など、女性の健康問題に日本の医療制度は冷たい」と指摘。また、病院について「特に若い女性にとっては、行きづらい所ととらえられがち。相談しやすい場が必要」とし、オンライン診療での緊急避妊薬の処方に期待感を示す。
内閣府が2017年に20歳以…