中国政府は程永華(チョンヨンホワ)・駐日大使(64)を近く交代させ、後任に中国外務省の孔鉉佑(コンシュワンユー)次官(59)を充てる方針を固め、日本政府に承認を得る手続きに入った。3日、日中外交筋が明らかにした。中国は日本勤務も長く知日派として知られる孔氏を大使に置くことで、改善傾向が続く日中関係の安定を目指す。
孔氏は、黒竜江省出身の朝鮮族。上海外国語学院(現上海外国語大学)で日本語を専攻した。外務省に入省後、2005~11年に在日大使館で公使を務めるなど、日本での勤務経験は約15年に及ぶ。ベトナム大使やアジア局長などを経て17年に外務次官となり、昨年の李克強(リーコーチアン)首相の訪日にも同行した。北朝鮮の核問題に関する6者協議代表も兼務している。
中国政府は、在任期間が歴代最長の9年余りとなった程氏の交代時期を探っていた。中国外交筋によると、外務次官としてアジア外交に加えロシア関係なども幅広く担う孔氏の役割を重視してきたが、4月下旬に開催する「一帯一路(シルクロード経済圏構想)国際協力サミットフォーラム」などで任務が一段落することから人事に着手。習近平(シーチンピン)国家主席が参加予定の6月の大阪での20カ国・地域(G20)首脳会合まで程氏が大使を務める構想もあったが、7月で60歳を迎える孔氏の年齢なども考慮し交代に踏み切ったという。
孔氏は2月に北京で開かれた日中安保対話でも中国側代表を務めるなど、関係改善が進む近年の日中関係でもキーパーソンとなっていた。日本政府関係者は「日本での勤務経験も豊富で、我々を熟知している相手だ」と分析する。
一方、離任する程氏は10年か…