日本臓器移植ネットワークは4日、埼玉県立小児医療センターに入院中の6歳未満の女児が臓器移植法に基づく脳死と判定され、臓器提供の手続きに入ったと発表した。脳死と判定された6歳未満の子どもからの臓器提供は12例目。
移植ネットによると、臓器提供は親族12人の総意という。女児は1日に急性脳症のため脳死とみられる状態となり、3日午後5時6分までに2回の脳死判定が終了した。
心臓が大阪大病院で10歳未満の男児に、肝臓が自治医大病院で10歳未満の男児に、両方の腎臓が東京女子医大病院で10代の男性にそれぞれ移植される予定。
移植ネットによると、脳死判定された女児の両親が臓器提供を考えたきっかけは、移植医療を身近に感じることがあったことや家族自身が臓器提供の意思表示をしていることがあったという。両親は移植ネットを通じて「娘は誰にでも優しく、誰にでも笑顔を向け、元気を与えられる子でした。誰かの一部になって病気で苦しんでいるお子さんを助けることに娘はきっと賛同してくれると思っています」などとするコメントを発表した。(姫野直行)