ニュージーランド南部クライストチャーチで50人が犠牲になった銃乱射事件で、殺人罪で起訴されたオーストラリア人のブレントン・タラント被告(28)が精神鑑定を受けることが5日、現地の高裁であった公判手続きで決まった。地元紙ニュージーランドヘラルドなどが報じた。
タラント被告は勾留施設からのビデオ中継の形で公判手続きに出席。被告側の弁護士が罪状認否をするのに適切な精神状態かどうかを調べる鑑定を求め、裁判官が認めた。被告は当初、弁護士なしで法廷に臨む意向と伝えられたが、結局、2人の弁護士がついた。
捜査当局はイスラム教礼拝所(モスク)で起きた事件の翌日の3月16日、被害者1人に対する殺人罪で起訴したが、5日までにさらに49人に対する殺人罪と39人に対する殺人未遂罪で追起訴した。被告は次回の公判手続きがある6月14日まで再勾留された。(シドニー=小暮哲夫)