投票日が7日に迫った名古屋市議選で、名古屋城天守木造化を巡る議論が低調だ。名古屋城を望む選挙区では、木造化を進める河村たかし市長が率いる減税日本だけでなく、河村市長と対決する市議会多数派の候補者も争点化を避けようとしている。
名古屋市中区で2日夕、減税新顔のミニ集会に河村氏が姿を見せた。自民市議が減税市議に暴言を吐いた問題を批判していたところ、男性から「まあええで、お城の話をちょっとして」と求められた。河村氏は「ちゃんとやらないかんがや、そんなもん」と笑いを取って事業の進み具合を説明したが、続いて演説した候補者は木造化に触れなかった。
河村氏は1日の会見で「市議選でなぜ天守木造化を訴えないのか」と問われ、「できるのが決まっとるから」と答えた。だがある減税候補者は「今の状況で木造化を訴えてもプラスにならない」と打ち明ける。木造新天守完成は2022年末の予定だが、文化庁の許可をまだ得られず、スケジュールは厳しさを増している。完成時期を変更することになれば、河村氏が政治責任を問われる可能性もある。
一方、自民などの市議会多数会…