タイで反軍事政権を掲げる新党・新未来党のタナトーン党首が6日、4年前のデモに関連して警察に出頭を求められ、事情聴取を受けた。新未来党は3月24日にあった総選挙で第3党に躍進する見通しで、軍政側の「圧力」との見方が広がる。
タナトーン氏は2015年6月にあった反軍政デモで、参加者を逮捕から免れさせるために支援したなどとして、扇動容疑などで軍政に告発された。タナトーン氏はこの日の事情聴取で容疑を否認。記者団に「(総選挙直後に事情聴取されたことが)なぜなのか、問われ続けなければならない」と述べ、政治的な圧力との見方を示した。
新未来党は、軍政下で制定された憲法の改正や格差是正などを掲げ、若者を中心に支持を集めた。総選挙の公式結果は未発表だが、第3党が確実視される。選挙後、第1党になる見通しのタクシン元首相派のタイ貢献党とともに、反軍政の連立政権を目指すと表明。軍政のプラユット暫定首相の続投を目指す親軍政派にとって「脅威になりかねない存在」(政界筋)だ。
「圧力」は今回の事情聴取だけではない。親軍政とみられる団体は「国の安全保障と王室を脅かす」として、新未来党の解党を選挙管理委員会に求めたほか、アピラット陸軍司令官も同党を念頭に「左翼思想を持ち込むな」と警告した。
政界筋は事情聴取や解党要求と…