(11日、プロ野球 ソフトバンク5―2日本ハム)
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下降気味だったソフトバンク打線が、つながった。
四回、連打と四球で2死満塁。この日最初の好機を迎えた。
ここで7番上林。落ちきらない甘いフォークを、鋭い振りでとらえた。「スライダーを待っていたが、うまく反応して打てた」と、一、二塁間を痛烈な打球で破る2点適時打。続く甲斐も、右中間フェンス直撃の2点二塁打で突き放した。
試合前は打率が2割に届かず、低迷していた二人。上林が「開幕してから何もできていなかった」といえば、甲斐も「最近チャンスを潰してばかりだった」。
引き分けを挟む開幕5連勝時は、打線が打ちに打っていた。だが絶好調のグラシアル、そして主砲・柳田までもが負傷で抜けた。すると9日は4安打、10日は6安打と一気に迫力不足に陥った。工藤監督は、「戻って来るまで、みんなでカバーするしかない」と話していた。
それだけに、不振コンビに復調の兆しが出てきたのは大きい。2安打した上林は「これで気持ちが楽になる。やってやる、という気持ちでいる」と言った。
大量5点を一気に奪った四回の攻撃。二人に加え、巨漢デスパイネの好走塁や、ベテラン川島がしぶとく四球で好機を広げる選球眼も光った。一つでも先の塁を狙い、一人でも先の打者へつなぐ。そんな意識が実り、今季初めて本塁打なしで勝利を挙げた。(藤木健)