約9億人の有権者がいる「世界最大の民主主義国」インドで、総選挙(下院、公選議席543)の投票が11日に始まる。地域ごとに期日が分散された投票が終わるのが1カ月がかりという、世界でも珍しい方式だ。経済格差への不満が社会にくすぶる中、モディ首相率いるインド人民党が2014年の前回選挙に続いて圧勝し、再び政権を握れるかが焦点となる。
相次ぐ自殺 インド総選挙、渦巻く「成長」への不信感
有権者(18歳以上)は約9億人で、投票所は全国に約100万カ所。巨大な選挙をスムーズに仕切るため、投票は5月19日までの間に州や地域別に7回に分けて実施される。投票所スタッフや警備要員の効率的な配置のためだが、それでも500万人以上の人手が必要になる。
一方、開票作業は全国一斉に同23日。これを可能にするのが電子投票機だ。2004年総選挙から導入され、省力化と開票作業の短縮に役立ってきた。予備を含めて約400万台が配備される。
選びたい候補者のボタンを押して投票する仕組み。候補者の写真や所属政党のシンボルマークがボタンの脇に貼られ、国民の約3割を占める非識字者への対策も兼ねている。今回は新機能が追加に。選んだ候補者の名前が紙に印字されて、自分の投票内容を確認できるようになった。
開票は、投票機の開票ボタンを…