車検切れのバスを運行し、運輸局の調査にも発覚を逃れるため虚偽の報告をしたなどとして、国土交通省中部運輸局は12日、KRB観光バス(大河原勝也社長)の本社営業所(愛知県豊田市)を同日から5月7日まで26日間の事業停止処分にしたと発表した。
発表によると、同社は昨年6月10日~7月18日、車検が切れた貸し切りバス1台を計20回運行したほか、昨年11月の愛知運輸支局の呼び出し調査にも「無車検では運行していない」などと虚偽の報告をしていた。また、無車検運行の事実を隠すため、点呼簿や乗務記録などに別のバスのナンバーを書いて改ざんしたり、記録そのものを廃棄したりしていた。
報道を受け、中部運輸局が実施した特別監査の結果、計19件の道路運送法違反を確認したという。
大河原社長は朝日新聞の取材に「処分は真摯(しんし)に受け止め、信頼回復に向けて安心安全な輸送に努めたい」と話した。