領有権をめぐる国際的な争いのある南シナ海で、中国船が多数確認されているとして、近隣のフィリピンとベトナムが反発を強めている。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の関係改善などにともない「安定」していた情勢が、再び緊張している。
フィリピン国軍によると、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で同国が実効支配するパグアサ島周辺では1月から3カ月間、中国漁船が600隻以上確認された。2月には1日で87隻が集まった日もあった。沿岸自治体は「中国船に漁師が操業を妨害されている」と訴える。
ドゥテルテ大統領は今月4日の演説で「パグアサ島は我々のものだ。手を触れるな」と中国を批判。軍による自爆作戦を辞さないともほのめかした。
2016年6月に就任したドゥ…