労使協定で定めた上限を超える長時間労働をさせたなどとして、吉本興業とロックバンド「サザンオールスターズ」らが所属する「アミューズ」が、労働基準監督署から是正勧告を受けた。各事務所が取材に対し明らかにした。
吉本興業によると、同社と子会社2社は、労使協定で定めた月50時間以上の残業をさせたなどとして、2012年3月に新宿労基署から勧告を受けた。残業時間が月100時間を超えた従業員もいるという。18年8月と9月には、就業規則の不備や休日勤務手当の不十分な支払いなどがあったとして再び勧告を受けた。同社の担当者は「現在は人員を増やし、労働時間の管理をより厳しくするなど対応を取っている」と話す。
アミューズは、残業時間の上限を決める労使協定を結びながら渋谷労基署に届け出ていなかったとして同署が13年8月に勧告。18年10月には、月に1日にも休まず働いた従業員がいたとして再び勧告を受けた。同社グループ経営企画部は「真摯(しんし)に受け止めている。渋谷労働基準監督署のアドバイスをいただきながら、対策を早急に検討実施し、働き方改革全般の対策を進めている」としている。