韓国南西部・珍島(チンド)沖で修学旅行中の高校生ら304人が死亡、行方不明となった旅客船セウォル号の沈没事故から5年となった16日、韓国各地で犠牲者を悼み「安全な社会」づくりを訴える追悼行事が開かれた。現在も5人が行方不明のままで、当時の朴槿恵(パククネ)政権の対応の遅れを含めた真相究明は終わっていない。
ソウルの中心部、光化門広場には、事故から5年にあわせて犠牲者の遺影や関連資料を公開する「記憶・安全展示スペース」が開館。市民が行列を作って見学し、原因究明や責任者の処罰を求める署名をした。40代の女性は「助けられなくてごめん、という無念が今も消えない」と話した。
現在でも大規模な事故や災害が起きると、「セウォル号事故の教訓が生かされたか」という国民の厳しい目が注がれる。この日、文在寅(ムンジェイン)大統領は「国民の生命と安全が最優先という誓いを必ず守る」とフェイスブックに投稿した。(ソウル=武田肇)