中国・北京で29日から始まる国際園芸博覧会にローマ・カトリック教会の法王庁(バチカン)が参加することが分かった。中国外務省の陸慷報道局長が17日の会見で認めた。司教の任命権について昨年9月に暫定合意したことを受けた関係改善を示す動きとみられる。
バチカンによると、約200平方メートルのパビリオンを設け、薬草について記録した古文書などを展示するという。文化評議会議長(文化庁長官に相当)を務めるラバージ枢機卿も北京に派遣。ローマ法王の側近である枢機卿が国交のない中国を公式に訪問するのは異例だ。
バチカンは欧州で唯一、中国ではなく台湾と外交関係を持つ。ローマ法王の承認を受けずに独自に司教を任命してきた中国と長年対立してきたが、昨年9月に任命権についてバチカンが歩み寄る形で暫定合意。今後、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ可能性が指摘されている。バチカンメディアは「今回の訪問は(中国との)外交関係の改善に向けた対話を続けるとの姿勢を示すものだ」と報じている。(北京=延与光貞、バチカン=河原田慎一)