大手家電メーカーのシャープを傘下に持つ台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長(68)が17日、来年1月の台湾総統選に立候補し、野党国民党の公認指名をめざすと表明した。米アップルのiPhone(アイフォーン)などの製造を請け負い、鴻海を受託生産の世界最大手に育てた郭氏の出馬は、選挙戦の行方を大きく左右しそうだ。シャープ再建に及ぼす影響も注目される。
郭氏の資金援助など長年の貢献をたたえるとして国民党が開いた式典後、郭氏は党関係者や報道陣を前に「党の予備選に出る。公認されれば党を代表して総統選に出る」と表明した。午前中には地元の廟(びょう)を訪れ、「神様から、金もうけではなく、民衆のために働き、若者に希望を与えよと告げられた」などと語った。
国民党は今後、総統選の公認候補を決める党内予備選を行う。複数の有力者が名乗りを上げているものの、カリスマ経営者として高い知名度を誇り、習近平(シーチンピン)・中国国家主席やトランプ米大統領とも面識のある郭氏の出馬を期待する声は強く、郭氏が指名争いの軸になりそうだ。
総統選は来年1月11日に投開…