天皇、皇后両陛下は23日、東京都八王子市の武蔵陵墓地で、退位に向けた儀式の一つ「昭和天皇山陵に親謁(しんえつ)の儀」に臨み、昭和天皇が埋葬された武蔵野陵(むさしののみささぎ)に参拝し、30日に退位することを報告した。モーニング姿の天皇陛下と参拝服姿の皇后さまはそれぞれ陵の前に進み出て玉串を手にし、深々と拝礼した。
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その後、労働災害で亡くなった人々を慰霊する同市の「高尾みころも霊堂」を訪問。亡くなった人々の名前が記された「御霊簿」が納められている拝殿で供花した。
両陛下は皇太子ご夫妻時代からこれまでに同霊堂を6回訪問。今回は退位前に両陛下の強い意向で訪れたという。この日、施設の説明を受けた天皇陛下は、労働災害による死者の減少には「どういう努力が必要なんですか」などと質問。帰り際、関係者に「遺族の方々にしっかり対応をお願いします」という趣旨の言葉をかけ、皇后さまは「よろしくお願いします」と伝えたという。(多田晃子)