東日本大震災による地盤沈下でできた宮城県気仙沼市の湿地で、新種の川エビが見つかった。東京農業大などのチームが発見し、「キタノスジエビ」と名付けた。
千葉晋教授(生態学)によると、湿地保全のために生物調査を続けていた2016年夏、気仙沼市の唐桑地区で発見した。すでに知られている「スジエビ」と似ているが、胸の部分に5対生えている脚のうち、前から2番目の脚のハサミ部分が長いという違いがあった。体長は最大4・5センチ。
DNAの解析でも新種と確かめた。湿地に流れ込む川や、付近を流れる別の川にも生息していた。兵庫県から北海道にかけて過去に採取されていたエビと同種であることもわかった。一方、これまでの調査で、河口堰(かこうぜき)や護岸のある川では見つかっていないという。
淡水に住むスジエビ属は、国内…