川の水を1リットルくんで分析することで、ニホンウナギの分布を高い精度で確認する手法を開発したと、神戸大などのグループが発表した。ウナギを捕獲する従来の調査方法に比べて、少ない労力や時間で生息状況を把握できるという。英科学誌に論文が掲載された。
川の水には、魚などの生物のふんや、はがれた皮などが混じっている。それらのDNAを取り出して解析することで、生息している生物について調べる手法は「環境DNA」調査と呼ばれる。
神戸大の板倉光・日本学術振興会特別研究員らは国内の10河川の125地点で、各1リットルの水をくみ、ニホンウナギのDNAの濃度を解析した。
ウナギの採集調査で個体数が多い地点ほど、水に含まれるDNA量も多いことが確認された。また、個体を採集できなかった地点でもDNAを検出することができ、生息の有無をこれまでより正確に把握できることが分かったという。
板倉さんは「環境DNAの分析は、ウナギの大規模な生息調査に有用だとわかった」と話している。(野中良祐)