全国各地の川や湖沼に入り込み、在来の生態系を脅かしている外来魚。本来は野外に放たれると根絶は難しい。だが、先月、北海道の阿寒摩周国立公園にある「オンネトー湯の滝」で繁殖していたグッピーなどの根絶が宣言された。「地の利」を生かし、「敵を知る」駆除方法が奏功した。
一帯一路「外来種拡散リスク」 中国科学院、対策強化を提言
北海道足寄(あしょろ)町の原生林の中にあるオンネトー湯の滝。斜面からわき出た温泉水が高さ20メートル超の滝となって流れ落ちる。滝つぼには二酸化マンガンが沈殿している。滝つぼに生息する藻類や細菌の働きにより、温泉水に含まれる成分から生成されたものだ。通常は海底にある二酸化マンガンの鉱床や生成過程を陸上で観察できる貴重な場所だ。
しかし、放流された外来魚が繁殖し始めた。
環境省阿寒湖管理官事務所によると、1980年代にナイルティラピア、97年にグッピーの生息が確認された。温泉水が流れ込み冬も水温が20度半ばの滝つぼは、熱帯魚にとっては好環境。鉱床の生成に欠かせない藻類を食い荒らした。
約20年前に駆除に乗り出した町や環境省は、網での捕獲やポンプで滝つぼの水を抜くなど試みたが、あまり効果はなかった。
そこで考案されたのが、流れ込…