「全国をめぐり、多くの人々と向き合いたい」
【特集】両陛下「祈りの旅」をたどる
【特集】平成から令和へ
天皇陛下は繰り返し周囲に思いを語り、皇后さまと各地への「旅」を続けてきた。
両陛下そろっての外出は「行幸啓」と称される。即位後初の地方への行幸啓は1989年5月、全国植樹祭出席での徳島県訪問だった。2日間の短い日程ながら、国民との距離を近づける「平成流」を印象づけた。
車の移動の際、昭和天皇は防弾ガラスの窓を閉めたが、両陛下は窓を開けて沿道の人たちに手を振った。広い道路では対向車線に一般車を通行させ、私服警官が目立たないよう警備する「ソフト化」が図られた。
両陛下の「旅」主な訪問先
おことばにも変化がみられた。全国植樹祭の式典では自らを「私」、出席者を「皆さん」と呼び、簡易な言葉で語りかけた。
「できるだけ早い時期に各地へ」
陛下は「旅」へのそんな思いも…