昨季まで2年連続で降格の危機に直面したチームが、ようやくつかんだチャンピオンシップ(CS)。地元で盛り上がるバスケ熱に背中を押され、富山グラウジーズが初めてのCSでの戦いを終えた。
熱気に包まれた27、28日の船橋アリーナ。千葉ジェッツのホームに乗り込んだ富山の司令塔・宇都直輝は「アウェーな感じがしなかった。声援も大きかった」と、はるばる駆けつけたブースター(ファン)たちに感謝した。
中地区3位ながら、ワイルドカードの2枠目に滑り込んだ富山に対し、レギュラーシーズン60試合でリーグ最少の8敗。東地区1位の千葉はやはり手ごわかった。1戦目は互角に渡り合う場面もあったが、102―73で力負け。今季リーグ4位のリバウンド数を誇るスミスが複数の守備に阻まれるなど、第2戦も96―85で及ばなかった。
約5千人が集った会場で、富山ブースターは300人ほど。その多くは立ち見だった。3月16日に早々とCS進出が確定した千葉に対し、富山が進出を決めたのは4月21日のレギュラーシーズン最終戦。すでに指定席は完売状態だった。「立ち見でもいいから」と駆けつけた富山のブースターは、チームが劣勢に陥っても声援を送り続けた。
Bリーグ開幕から3年。富山ではこれまでになくバスケ熱が高まる。1年目に2482人だったホームの1試合平均観客数は、2年目に2731人、今季は3121人に伸びた。さらに昨年11、12月には日本代表の国際試合が、今年1月にはリーグのオールスター戦が相次いで開かれ、追い風に。背景には「バスケを通し、県民の誇りを生むことができたら」と、積極的に誘致に協力した地元自治体の思いもあった。
上昇気流の中で、選手たちもた…