1989(平成元)年、弥生時代の巨大環濠(かんごう)集落として脚光を浴びた佐賀県の吉野ケ里遺跡。訪問した皇族を案内してきた元佐賀女子短大学長の高島忠平さん(79)は、皇后さまに関するある出来事を思い出す。
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【特集】天声人語でたどる「平成」
92年8月、遺跡を訪れた天皇、皇后両陛下の長女の紀宮さま(黒田清子さん)が、白いユリの花束を手にしていた。高島さんは首をかしげた。花束について尋ねると、紀宮さまは「母から言われました」と答えたという。
その3カ月前、両陛下が佐賀を…