新天皇陛下は皇太子となる前を含めこれまで51回にわたり、41カ国を訪問した。上皇ご夫妻が築いてきた各国王室との絆を土台に、オランダのウィレム・アレキサンダー国王やデンマークのフレデリック皇太子ら同世代の王族と親交を深めてきた。海外の王室に詳しい君塚直隆・関東学院大教授は「戴冠(たいかん)式では最上位の席を用意されることもあり、『日本の顔』として認知されている」と語る。
【特集】両陛下「祈りの旅」をたどる
【特集】平成から令和へ
昨年9月、皇太子として最後の海外訪問国となったフランスでは「次期天皇」と報道され、注目を集めた。パリ近郊のベルサイユ宮殿で開かれたマクロン大統領夫妻主催の絢爛(けんらん)な晩餐(ばんさん)会では英語で「両国民の絆がますます深まることを期待しております」とスピーチ。下院副議長主催の昼食会では約8分間のあいさつを全てフランス語で行った。マレーシア訪問(2017年)やアフリカ訪問(10年)などこれまでも度々現地の言葉を交え、相手国への敬愛の念を示してきた。英仏のほかにスペイン語も学んでいるという。
初めての海外体験は学習院中等…