高校野球の春季大阪府大会は3日、5回戦があり、昨夏の第100回全国選手権記念大会を制した大阪桐蔭が近大付に1―6で敗れた。
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「たたみかけられなかった」。大阪桐蔭の西谷浩一監督が悔やんだのは、6点を追う八回だ。無死満塁で打順は2番。追い上げムードが漂うなか、立て続けにフライを打ち上げた。遊飛、右犠飛、右飛。上位打線が打ち気にはやり、1得点止まり。反攻はここまでだった。
近大付の藤本博国監督が最も警戒していたのは、大阪桐蔭の「勝負に対する厳しさ」だった。象徴的な試合が、昨夏の北大阪大会準決勝の履正社戦。1点を追う九回2死走者なしから、四球をきっかけに逆転勝ちした。この日の大阪桐蔭は、そんな底力を見せることができなかった。
「もう少し春の大会をやりたかった」。西谷監督は本音を隠さない。昨年は、最上級生が主体のチームだった。いまのチームは、主力でも一発勝負の怖さがつきまとう公式戦の経験値が少ない。加えて、この日の先発9人のうち5人が2年生。若いチームにとって、春季大会は粘り強さや勝負勘を磨く絶好の機会だった。
「大阪を勝つ力がまだない。秋、春の負けを、どう夏につなげるか」と西谷監督。主将の中野波来(はる、3年)が言う。「技術的なレベルアップも大事だけど、意地を出せるかどうか。この悔しさは忘れない」(小俣勇貴)