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監督不在の星稜、再出発の春 エース奥川が見つけた課題

高校野球の春季石川県大会が27日、県立野球場などであり、今春の選抜大会に出場した星稜が2回戦に登場。七尾を11―0(五回コールド)で下した。


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星稜は林和成監督に代わって山下智将部長が指揮を執った。主将で捕手の山瀬慎之助(3年)は決めていた。「自分たちのやるべきことをやろう」。平静を保ちつつ課題と向き合った。


選抜大会2回戦で敗れた直後、監督がサイン伝達の疑いを相手監督に直接抗議。この問題を受け、学校は北信越大会終了まで監督の指導を禁止した。「チームの状態は良くないなかでやってきた」と山瀬。ただ、「問題はそこじゃない。選抜に負けたのは、自分たちのせい。自分たちが変わらないと」とも言った。


甲子園での敗戦で痛感したのは、「打てないと勝てない」。この春の県大会のテーマを「毎回得点」にした。三回までは、有言実行。四回は2死走者なしと追い込まれたところで、山瀬が左翼ポール際へ本塁打を運んでチームの思いをつないだ。


毎回得点を維持して11安打11得点と打ち勝ったが、山瀬は納得しない。「まだまだです。ラッキーヒットが多い。結果だけを見ずに内容を求めていきたい」


大黒柱であるエースの奥川恭伸(3年)はこの日、登板がなかった。打者走者のレガースを受け取りに走り、声を出していて感じていた。「まだまだベンチワークが弱い。今まで気付かなかった部分です」


監督がいない状況だからこそ、見えてきたものだ。「これまで自分たちで考えることが少なかった。最近は、中身のあるミーティングも増えてきた」と奥川。気づきの春が、星稜をたくましくする。(小俣勇貴)


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