3日に愛媛・坊っちゃんスタジアムで開幕した高校野球の四国地区大会で、明徳義塾の1年生左腕、代木大和(しろきやまと)が初登板した。同じ高知県では、中学時代に軟式で球速150キロを出した高知の森木大智(1年)に注目が集まる。デビューを果たし、「森木に勝って甲子園に行くのが目標」と、高校での抱負を語った。
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六回までに徳島北から7点のリードを奪った明徳義塾。七回2死で、代木がマウンドへ上がった。ゆったりとした動作から左腕を大きくしならせ、最後の打者を三振に仕留めてコールド勝ち。緊張からやや体が硬くなったというが、投じた6球すべてを「持ち味」という直球で押した。
愛媛県四国中央市出身。小学1年生から野球を始め、中学では川之江ボーイズで投手を中心に複数のポジションをこなしながら、強打者としても知られた。地元や関西の強豪からの誘いもあったが、「馬淵(史郎)監督に教わりたい。名門の厳しい環境で成長したい」と明徳義塾を選んだ。
もちろん、ライバルとなる森木の評判は聞いていた。「すごいと聞いてユーチューブで見ていた。スピードだけでなく、変化球のキレもすごいし、負けん気も強い。すべてにおいて近づきたい」。甲子園への道には、森木を擁する高知が立ちはだかるが、「毎日練習して努力を重ね、森木と投げ合って勝って甲子園に行きたい」と、意気込んだ。
期待の1年生左腕に、馬淵監督も「野球で飯を食っていけるくらいの能力がある。3年生でドラフト上位候補になれるのでは」と太鼓判を押す。高校入学後、練習試合5試合に登板し、7イニングほどを投げて被安打はわずか2。球速も最速139キロを出した。大リーグ・エンゼルスの大谷翔平にあこがれて二刀流も目指すという逸材に、馬淵監督は「日に日に変わるから、毎日グラウンドに出るのが楽しいよ。63歳になってもね」と笑った。(高岡佐也子)