バスケットボールのBリーグチャンピオンシップ(CS)は5日、2戦先勝制の準決勝第2戦があり、今季勝率1位で昨季準優勝の千葉(東地区1位)が初代王者の栃木(同2位)に88―83で連勝し、2年連続の決勝進出を決めた。琉球(西地区1位)はA東京(ワイルドカード、東地区3位)を62―56で破り、1勝1敗で7日の第3戦に持ち込んだ。
B2プレーオフは決勝で信州が群馬を破り、初優勝した。3位決定戦は島根が熊本に勝利。信州と群馬がともにB1ライセンスを持たないため、来季は島根がB1に昇格する。B2とB3の入れ替え戦は八王子―越谷の組み合わせで、12日に横浜アリーナで行われる。
日本の司令塔として13年ぶりのワールドカップ(W杯)出場をつかんだ千葉の富樫が試合を支配した。チーム最多の21得点を挙げると同時に、仲間も生かして両チーム最多の8アシスト。第4クオーター(Q)残り4分弱で13点リードの局面では、後ろ手にノールックパスを出し、西村の3点シュートをおしゃれに演出して勝利をぐっと引き寄せた。「決めた(西村)文男さんの方がさすがかな」と謙遜したが、準決勝の大舞台で余裕さえ感じさせた。
レギュラーシーズンで3勝3敗と互角だった栃木を相手に、連勝で決勝に進んだ。「栃木と切磋琢磨(せっさたくま)したからこそ、今の千葉の強さがある。決勝は栃木の思いも背負って戦いたい」
隙を見逃さなかった琉球
琉球は一瞬の隙を見逃さなかった。51―52で1点を追う第4クオーター(Q)残り2分46秒。マークを嫌ったA東京・田中大貴が馬場雄大に球を戻そうとした。
これがやや軽率なパスになった。馬場のマークについていた橋本竜馬の手がすっと伸びた。かすめ取るようにしてカット。すぐに攻撃に切り替え、相手の守備が整う前に須田侑太郎が3点シュートを決めた。初めてこのQでのリードを奪い、そのまま逃げ切った。
両チームとも守備が激しくロースコアの展開になった。琉球はいらいらしそうな場面でも「我慢しろ、我慢しろ」と選手同士で何度も言い合った。粘り勝ちに橋本は誇った。「基本に立ち返って前からプレッシャーをかけたからこそ、今日の勝利がある」
A東京、崩せなかった守備
A東京は琉球の守備を最後まで切り崩せなかった。相手選手の動きを遅らせたり制限したりするプレーがうまくいかず、シュートを打つのは厳しい場面ばかりだった。前日16得点のビエリツァはわずか2得点、頼みのカークも12得点。司令塔・安藤誓哉は「なかなかシュートを打つチャンスを作れなかった」と反省した。