7日のニューヨーク株式市場は、米中通商摩擦への警戒感が再び強まったことから、大企業でつくるダウ工業株平均が大幅続落し、前日比473・39ドル(1・79%)安い2万5965・09ドルで取引を終えた。前日比での下げ幅は一時、648ドルまで拡大した。
トランプ米大統領が5日に対中関税引き上げをツイッターで予告したのに続き、ライトハイザー米通商代表も6日夕、中国からの輸入品2千億ドル(約22兆円)分に対し10日から25%の追加関税を課すと表明。
市場では当初、トランプ氏のツイートは中国から譲歩を引き出す交渉戦術の一環との受け止めも強かったが、ライトハイザー氏の発言を受けて楽観論が大きく後退。対中追加関税の現実味が増したことで、米中など世界経済への悪影響を懸念する見方が強まった。
ダウ平均の下げ幅は、米アップルの業績下方修正をきっかけとした1月3日の「アップル・ショック」以来の大きさ。
ダウ平均を構成する30銘柄すべてが値を下げた。アップルや建機大手キャタピラー、航空機ボーイングなど中国ビジネスの割合が大きい銘柄の下げが目立った。
投資家心理は急激に悪化しており、「恐怖指数」と呼ばれる米国株の変動率指数(VIX)は7日、先行き不安が強い状態とされる「20」を上回って21台をつけ、1月以来の水準まで上昇した。
ハイテク株の多いナスダック市場の総合指数も大幅に下落。前日比159・53ポイント(1・96%)低い7963・76で終えた。(ニューヨーク=江渕崇)