石油や化学製品のプラントを手がける千代田化工建設は7日、2019年3月期の純損失(赤字)が昨秋に予想した1050億円からふくらみ、2150億円になるとの見通しを発表した。業績予想の下方修正は2回目で、赤字幅は過去最悪。海外での工事の費用の見通しを誤ったといい、筆頭株主の三菱商事が救済に乗り出す方向だ。
1回目の下方修正の主因となった米ルイジアナ州の液化天然ガス(LNG)プラントの工事費用がさらに増える見込みになった。配管などの不具合が相次ぎ、作業のやり直しを迫られたという。インドネシアのLNGプラントでも、工事が想定より長引いて費用増につながった。作業の遅れを反映し、売上高の見通しも600億円引き下げて3400億円とした。
昨年11月と今年2月に発表した決算短信では、事業継続が厳しくなったことを示す「継続企業の前提に関する注記」を記載しており、経営が立ちゆかなくなるおそれが出てきた。
このため、千代田化工は昨秋、三菱商事に支援を要請。社長を派遣している三菱商事は、出資や融資を検討している。すでに33・4%を出資して持ち分法適用会社にしており、業績悪化は自社の決算にも影響が及ぶ。千代田化工が強みを持つLNGプラントは、アジアの新興国を中心に需要が高まるとみて、支援を続ける意義があると判断した。
9日にも救済策を発表し、支援…