各地の空港では朝、搭乗手続きを行うカウンターに長い列ができた。羽田空港では午前9時過ぎ、150人ほどが並んでいた。
長野県上田市の製造業、斎藤肇さん(40)は「鹿児島市内の商談先と昼に約束がある。遅れるわけにはいかない」。福島市の会社員男性(27)は「連休は働き、今日から休みを取って夫婦で沖縄旅行に行く。システムトラブルなら仕方ないけど……」と不安げな様子で話した。
東京に出張中の大阪市中央区の会社員、谷奥仁さん(28)は出雲空港へ向かう便が遅延すると聞き、「午前中に商談を入れていたが午後にずらしてもらった」。普段なら自動チェックイン機で1、2分でチェックインできるが、この日は長い列。「JALでこんな経験は初めて。どれくらい遅れるかわからないし午後の商談も間に合うか不安」と話した。
大阪(伊丹)空港のロビーでも、200人超の列ができた。
「ここまで長引いた障害は初めてで、びっくりしている」。搭乗券をキャンセルするために並んでいた会社員、寺岡信介さん(45)は、群馬県で午後1時から開かれる会議に出席するため、飛行機を予約していた。空港に着いたのは午前7時ごろ。搭乗券を発券したが、復旧のめどが立たず、新幹線を利用するために新大阪駅に向かった。
午前10時半の羽田空港行きの便を予約していた会社役員の川瀬光義さん(64)は「午後から東京で打ち合わせがあり、少しでも早く着きたいが、焦ってもしょうがない」と話した。
福岡空港でも搭乗予定者らに動揺が広がった。
福岡県新宮町の30代の女性は、東京ドームで行われるアイドルグループのコンサートに行くため、羽田空港行きの便に搭乗予定。システム障害のニュースを知って不安になり、「ツイッターやJALの公式サイトで情報を集めた」。コンサートは午後6時開演だが、現地で合流する予定の友人には「遅れるかもしれない」と連絡したという。「いままでこんなことなかったのに」
佐賀県唐津市の公務員の男性(66)は9日の会議に出席するため、羽田空港行きの便に搭乗するという。「今日はいろいろ見て回ろうと思っていたので、遅れたら困る」。毎年2回ほど会議で東京に行くが、「こんな大きな遅れは初めて」。長年、飛行機はJALを利用していたが「やめたい気持ちはある」という。