大津市の県道交差点で信号待ちをしていた保育園児らが巻き込まれ16人が死傷した事故から一夜明けた9日朝、事故現場では大勢の人が訪れ、設けられた献花台に花束やお菓子を供え手を合わせた。
大津市内の高校に通う男子生徒(15)は登校前、清涼飲料水の缶を献花台に置いた。「事故が起きた日は暑かったので、のども渇いただろうと思って」
出勤前に訪れた大津市の会社員岡井俊紀さん(65)は約2カ月前に孫が生まれたばかり。「ひとごとだとは思えない。似たような事故も多く、『またか』という感じ」と話した。
30年以上バスの運転手を務めた大津市の藤永芳太郎さん(81)も献花台の前で手を合わせた。「本当にかわいそう。運転する人は気をつけてまじめにハンドルを握ってほしい」と語った。
0歳から7歳までの男児4人の母親である滋賀県草津市の会社員の女性(33)は、買い物で現場を通る際によく園児たちが散歩する姿を見かけたという。花束を置いて、「いつも、みんな固まって手をつないで、保育士が見守っていた。事故を防ぐにはどうしようもなかったのかな」と涙で言葉を詰まらせた。
事故で亡くなった伊藤雅宮(がく)ちゃん(2)の母親と知り合いという30代の女性は「妊娠中から知っていて、言葉にならない。とてもやんちゃで元気な子だった」と涙ぐんだ。(北川サイラ)