高齢者宅に「仏像ができた」とうその電話をかけて仏像を送りつけ、現金をだまし取ったとして、滋賀県警は23日、東京都千代田区の通販会社社長、玉木文博容疑者(54)=同中央区=ら5人を特定商取引法違反(不実の告知、書面交付義務違反)と詐欺の疑いで逮捕し、発表した。
生活環境課によると、玉木容疑者らは昨年2月から12月中旬、埼玉、兵庫、沖縄県の80~90代の男女計3人に「注文を受けていた観音様ができましたのでお届けします」などとうその電話をかけ、仏像と振込用紙を送りつけて、3人に現金計126万円を振り込ませた疑いがある。
県警によると、この通販会社はアートコアコーポレーション。「日本書芸センター」の屋号で、同様の手口で繰り返し仏像を送りつけていたとみられ、県警は口座への入金状況などから、同様の被害が少なくとも100件以上あり、被害額は4千万円以上に上るとみて裏付けを進める方針。
昨年8月ごろ、滋賀県内の郵便局で、高齢女性が仏像の代金として10万5千円の振り込みをしようとしていたため、不審に思った郵便局側から草津署に通報があり、県警が捜査していた。(安藤仙一朗)