サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は14日、同国の東西を結ぶ石油パイプラインの施設2カ所がドローンによる攻撃を受けたと明らかにした。国営通信が伝えた。12日にはサウジの石油タンカーが攻撃を受けたとされており、緊張が高まっている。
隣国イエメンの反政府武装組織フーシの影響下にあるメディアは14日、「7機のドローンで重要な施設を攻撃した」と伝えた。内戦が続くイエメンをめぐっては、軍事介入しているサウジが暫定政権を支援、一方、イランはフーシの後ろ盾となり両国による代理戦争の様相を呈している。フーシは11日に一部地域の停戦合意に基づき、西部ホデイダの港から戦闘員の撤退を始めたばかりだった。
ファリハ氏は「サウジだけでなく、世界への原油供給の安全をも標的にしたテロ行為だ」と非難し、「イランが背後にいるフーシなどと対峙(たいじ)することの重要性を再び証明した」と主張。一方、原油生産に影響はないとしている。
ホルムズ海峡に近いアラブ首長国連邦(UAE)の沖合では12日、サウジの石油タンカー2隻が「妨害攻撃」を受けたとしている。(ドバイ=高野裕介)