プロ野球中日の松坂大輔投手(38)が28日、今季初の実戦となるウエスタン・リーグのソフトバンク戦(福岡・筑後)に先発し、2回を無安打無失点に抑えた。2月の春季キャンプ(沖縄・北谷)でファンとの接触をきっかけに右肩を痛め、昨年9月13日の阪神戦(甲子園)以来の実戦。再起へ上々のスタートを切った。
松坂に罰則、2軍練習日にゴルフ「自覚が足りなかった」
松坂は最速137キロのカットボールに100キロ台のカーブなどで緩急をつけた。一回2死では、中村晃をカウント2―2から球速123キロのスライダーで空振り三振に仕留めた。
予定の2イニングを20球で終え、計3三振を奪った松坂は「久しぶりの実戦で探りながらの投球だった。ボール自体は落ち着いていた。1軍レベルの打者と対戦でき(打者の)体勢を崩すことができた」とうなずいた。今後は投球回数や球数を増やしていく方針だ。
右肩痛に苦しんだ松坂は昨季6勝を挙げ、カムバック賞を受賞。今季は背番号を「18」に変更し、完全復活を目指していたが、2月の春季キャンプで右肩に炎症を訴え、リハビリを続けていた。(鷹見正之)
松坂、キャンプからの負傷の経緯
2月1日 沖縄・北谷で春季キャンプ開始。背番号「18」を披露。
2月11日 球団が「数日前にファンに右腕を引かれ、右肩に違和感があるため、当面ノースロー調整」と発表。
2月12日 沖縄県内の病院で検査し、右肩に炎症が見つかる。
2月16日 キャンプ離脱が決定。
2月19日 愛知県内でチームドクターの診察を受け、球団は「右肩炎症で2週間ノースローの予定」と発表。
3月2日 ナゴヤ球場の室内練習場でネットスロー再開。
3月8日 室内練習場でキャッチボール再開。78球を投げ、「少し前進できた」。
4月29日 ブルペンで投球練習再開。捕手を立たせて22球を投げる。
5月14日 初めて捕手を座らせて投球練習。立たせての投球と合わせて72球を投げる。「立ち投げでは100%に近い状態」
5月16日 右肩のリハビリ目的で関東地方に滞在中、2軍練習日に千葉県内でゴルフをしていたとして、球団から罰則を科される。
5月17日 練習日のゴルフについて、ナゴヤ球場で「軽率な行動でご迷惑をおかけし、申し訳ありません」と謝罪。
5月19日 2軍の打撃練習で打者に35球を投げる。
5月23日 初めてシート打撃に登板。石垣や井領らに46球を投げ、試合感覚を確認。