アパート建設大手「レオパレス21」が法令に抵触するアパートを施工していた問題で、弁護士による第三者委員会は29日、最終報告書を公表した。天井裏の仕切り壁がない問題について、同社が不備を把握したと説明する2018年以前に社内から違法性の指摘があったと認定。にもかかわらず、「リスク感知体制の不備」から問題が放置されたと結論付けた。
レオパレスをめぐっては昨春、延焼を防ぐ天井裏の仕切り壁が設置されていないなどの不備が発覚。さらに同社は2月、仕切り壁や外壁、天井などの耐火性や遮音性が国の基準に合わない物件が計1324棟あったと公表していた。
このうち、天井裏の仕切り壁がない問題について、報告書は12年にあった物件オーナーとの民事訴訟で、同様の不備が指摘されたと記載。さらに06年以降にあった修繕工事の際にも、担当者から建築基準法違反の指摘があったとした。ただ同法上、仕切り壁は不要との誤った理解から特段の対応は取らなかったという。
また、仕切り壁や外壁の内部に、同法の基準に合わないウレタンが使用されていたのは、当時の社長で創業者の深山祐助氏の指示が発端となったと指摘した。
ただ、同法の基準に不適合であることを認識していたかについて、深山氏は否定。客観的証拠も得られなかったことから、「疑いは残るが不適合を認識しつつ使用を指示したとまでは認定できなかった」とした。