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講じていた対策、想定超えた凶行 子どもをどう守れば

スクールバスを待つ児童が無差別に殺傷されたり、散歩中の園児が交通事故に巻き込まれたり――。子どもが巻き添えになる悲しい被害が相次いでいます。子どもたちをどう見守ればいいのか。今回の事件の根底にあるものは。専門家らに話を聞きました。


死傷事件容疑者、近隣トラブルも 川崎市内に住む51歳


「容疑者は、声も上げずに近づいており、強い殺意が見て取れる。子ども自身が被害を防ぐ行動を取ることは不可能だっただろう」。登校中の児童17人と男女2人が襲撃された川崎市の事件について、日本こどもの安全教育総合研究所の宮田美恵子理事長は話す。


学校側も教員を同行させていたほか、駅からバス停への行き方にも工夫があり、さまざまな対策をしていた。登校中の子どもたちを突然襲った犯行は、その対策の難しさを突きつけた。


何かできることはないのか。宮田さんは、一般論として「見える防犯」を提案する。一般の大人が見守り活動をするのに加えて、制服姿の警察官のパトロールを強化したり、警備員などが制服を着て見守りをしたりし、抑止力にする、という考え方だ。「子どもが集団でいる登校時はターゲットになりやすい半面、犯罪を防ぐ目を行き届かせられるという利点もある」


遠方から通学する場合が多い私立学校では地域の人と顔見知りではない場合が多い。「私立学校と地域のつながりを制度面でも考える必要があるのではないか。互いにつながることが一つの対策になり得る」と宮田さんは話す。


自分の生活圏でも発生するという心構え


全国で地域の防犯活動の指導に携わる安全インストラクターの武田信彦さん(42)も川崎市の事件について「保護者や見守りの有無を問わずに発生した、子どもの防犯対策の想定を超えた事件だ」という。


登校中の児童たちは十数秒という短時間に次々と襲われたと見られ、「1、2人の大人で子ども全員を守ることには限界がある」。 武田さんが強調するのは、子どもや大人を問わず、誰でも「自分の生活圏でも通り魔的な犯罪は発生するかもしれないという心構えを持つ」重要性だ。心構えがなければいざという時に体が動かない。「日頃から自分の身をどうやって守れるかを意識して」


子どもたちが身を守るために、どんなことを伝えられるか。


武田さんによると、例えば通り…


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