川崎市多摩区の路上で登校中の児童らが襲われ19人が死傷した事件で、上皇ご夫妻は29日、河相周夫上皇侍従長を通じて秋葉剛男外務事務次官に対し、犠牲になった外務省職員の小山智史さん(39)への弔意を妻に伝えた。宮内庁が30日、発表した。小山さんは上皇ご夫妻のミャンマー語の通訳を4回務めた。同庁によると、ご夫妻は児童ら多数が被害にあった事件に大変心を痛めているという。
宮内庁によると、小山さんは、2013年12月の日本・ASEAN特別首脳会議出席の各国首脳夫妻のための宮中茶会をはじめ、15年2月の在京外国大使夫妻との昼食会、同4月の離任ミャンマー大使夫妻との引見、同7月の第7回日本・メコン地域諸国首脳会議に出席の各国首脳を招いた宮中茶会の計4回で、上皇ご夫妻のミャンマー語の通訳を務めた。
上皇ご夫妻はかねて公務を通じて交流があった人が亡くなった際や、大きな事件があった際、側近を通じて弔意を伝えてきた。1999年7月に全日空ハイジャック事件が起きた際は、翌8月に公務のため搭乗した全日空機内で、亡くなった長島直之機長に対する弔意を当時の社長に伝えた。2016年にバングラデシュで起きた武装集団襲撃事件で日本人多数が巻き込まれた際は、側近を通じて遺族に対するお悔やみと負傷者に対するお見舞いの気持ちを伝えた。