愛媛県今治市で23~25日に開かれていた造船産業の見本市「バリシップ」の会場に、ちょっと変わった出展者がブースを構えていた。精米機メーカーとして知られる、広島県東広島市のサタケだ。畑違いの業界に、どんなビジネスチャンスを見つけたのか。
「船の分野も手がけていると聞くと、お客さんも驚くんですよ」。バリシップの会場で、サタケ技術本部の松田真典さんが言った。ブースには、造船会社の技術担当者らが、次々に訪れていた。
サタケが展示していたのは、両手で持てるぐらいの大きさで、重さ4キロほどの機械。バランスを取るために船底に入れる「バラスト水」に含まれるプランクトンを調べる検査装置だ。
バラスト水と専用の染色剤を入れ、LEDで照らすとプランクトンが発光する。同社が手がけている米の不良品を選別する機械に使っている、LEDやカメラの技術を応用した。
付き合いのあった広島県内の船舶関連企業から、「バラスト水の適正な処理はビジネスになるのでは」とアドバイスされたのが開発のきっかけだ。バラスト水に有害なプランクトンが含まれていると、寄港地での排出が生態系を壊してしまう。世界的な課題となっていた。
国際海事機関で、船が排出する…