仏自動車大手ルノーのジャンドミニク・スナール会長は29日、3社連合を組む日産自動車、三菱自動車との首脳会合に出席し、欧米大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から提案された経営統合の計画について説明した。関係者によると、目立った反対意見は出なかったが、日産側は「まだ詰めることが多い」などとして計画への賛否を示さなかった。統合によって3社連合の運営が見直しを迫られるのは必至で、日産は難しい判断を迫られそうだ。
首脳会合には、スナール氏とルノーのティエリー・ボロレCEO(最高経営責任者)、日産の西川(さいかわ)広人社長兼CEO、三菱自の益子修会長兼CEOらが参加。3社連合を統括する新組織「アライアンス・オペレーティング・ボード」は同日午前に横浜市で開かれた首脳会合の後、ルノーとFCAの統合について「オープンで透明性のある議論を行った」との談話を出した。
統合が実現すれば、日産と三菱自を合わせた2018年の世界販売は1500万台を超え、世界最大の自動車グループが誕生する。
スナール氏はこの日の説明の中で、部品の共同購入や次世代技術の共同開発によるコスト削減などを統合の利点に挙げたとみられる。
ルメール仏経済・財務相は28日の仏ラジオ番組で、ルノーとFCAの統合の条件の一つに「ルノーと日産の提携枠組みの維持」を挙げており、FCAとルノーは日産と三菱自も合流する「4社連合」を前提に統合交渉を進めるとみられる。西川氏はスナール氏の説明に反対はしなかった模様だが、日産側は統合に伴う自社への影響を見極められていない。
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