公立福生病院(東京都福生市)で透析治療を中止した女性(当時44)が死亡した問題で、日本透析医学会は31日、調査結果をふまえた見解をまとめ、声明をホームページで公表した。女性が透析治療を続けるのは困難で、中止を強く求める女性の意思は尊重されてよい事案だったとした。その他の事案は、医療者が患者にどのような説明をしたか具体的にわからない部分があったと指摘した。
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声明などによると、女性は重篤な心血管系の合併症があり、透析用の管の出入り口をつくることが難しく、血液透析を継続するのは臨床的に困難な状況だったと推測されるという。女性は透析治療をやめる意思を示しており、その意思は尊重されてよいとした。
ただし、女性は亡くなるまでの間に重篤な呼吸困難になり、いったんは治療再開を求めたとされる。このことから、患者の意思を何度も確認すること、その過程を具体的に記録することが大切だとした。また、透析をやめてから亡くなるまでの緩和ケアの体制づくりの重要性も指摘した。
透析治療をはじめから受けずに亡くなった19人については、病院の報告では主治医がしないことを持ちかけたのではなく、本人や家族の意思だったようだとした。ただし、医療者側から具体的にどのような説明がなされたかはわからず、詳細なやりとりを記載するのが望ましいとした。
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