中央アジアのカザフスタンで9日、ナザルバエフ前大統領(78)の退任に伴う大統領選が行われ、複数の出口調査によると、後継指名を受けたトカエフ暫定大統領(66)が70%以上の得票で圧勝が確実となった。ナザルバエフ氏はソ連末期の1990年から同国大統領を務め、大統領の交代は同国では初めて。
トカエフ氏は外交官出身。憲法の規定に基づき、3月に退任を大統領を退任したナザルバエフ氏に変わって上院議長から暫定大統領に就任していた。経済成長と政治的な安定を実現したナザルバエフ氏の路線を継承し、ロシアや中国、欧米と良好な関係を維持するバランス外交を重視する方針を示している。
一方、首都ヌルスルタン(旧アスタナ)や南部のアルマトイでは同日、強権的なナザルバエフ体制の継承に反対する集会が開かれ、参加した市民ら約500人が警察に拘束された。同国内務省によると、集会は無許可で行われ、集会参加者の投石などで警察官3人が負傷したという。(ヌルスルタン〈旧アスタナ〉=石橋亮介)