韓国文化財庁と警察当局は13日、韓国南西部、全羅南道新安郡沖の海底遺跡で40年前に盗掘した青磁などを日本などの外国に売ろうとしたとして、埋蔵文化財保護法違反の疑いで60代の韓国人男性を逮捕した。
1970年代後半から80年代前半にかけて発掘作業が行われた海底遺跡。1323年、中国の寧波を出航して日本の博多を経て京都の東福寺に向かう途中、沈没した船の遺跡であることが判明している。
男性は80年代に潜水夫を雇い、「青磁貼花龍文大盤」「青磁陽刻牧丹文両耳瓶」などを盗掘。文化財庁は「完全な形を保ち、学術的な価値がある。中世の3カ国の文化交流を垣間見ることができる重要な史料だ」としている。
40年間、自宅に隠し持っていたが、生活苦から日本や中国のブローカーに売ろうとした。ただ、価格が折り合わずに断念。その密輸入の情報が警察に通報され、逮捕に至った。本人は盗掘したものではないと容疑を否定しているという。(ソウル=神谷毅)