大阪府吹田市で襲われた吹田署の古瀬鈴之佑巡査(26)は高校ラグビーの強豪、佐賀工業(佐賀市)で活躍した。同校の部員たちは17日、練習前のグラウンドで先輩の回復を祈った。
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枝吉巨樹(おおき)監督によると、古瀬巡査は2年からレギュラー。100メートルを11秒台で走る俊足を生かし、ウィングとしてグラウンドを駆け回った。後輩の面倒見がよく、信頼も厚かった。東海大に進学、国体のラグビー成年男子で佐賀県代表に選ばれ、優勝に貢献した。
枝吉監督は警察官になった教え子について「正義感が強かった。それを生かせる仕事に就きたかったんだと思う」と話した。
古瀬さんは意識不明の重体。当時の仲間たちからは、容体を気にかけるLINEが入ってきているという。佐賀工ラグビー部は信条に「不撓不屈(ふとうふくつ)」を掲げている。「佐賀工の精神で、生命力に期待したい」
この日の練習前。グラウンドに集まった選手たちに、小城博・総監督が「古瀬君を応援しよう」と呼びかけた。「大阪の方を向いて祈ろう」との声が上がり、みんなで「古瀬さん、がんばって下さい」と叫び、一礼した。(松岡大将)