佐賀県神埼市で陸上自衛隊のヘリコプターが民家に墜落した事故から5日で1年になる。隊員2人が死亡し、民家にいた女児がけがをする重大事故だった。防衛省は事故原因の最終報告をまだ出しておらず、原因の根本や責任の所在は明らかになっていない。
事故では、陸自目達原(めたばる)駐屯地(同県吉野ケ里町など)所属の戦闘ヘリAH64Dが神埼市千代田町の民家に墜落し、炎上した。当時、家にいた小学生の女児は足にけがを負い、周辺の住宅などでも落下した部品で屋根に穴があくなどの被害が8件確認された。
防衛省は昨年5月、回転翼と回転軸をつなぐ部分のボルトの破断が原因とする中間報告を公表した。ただ、破断の原因や責任の所在などはまだ明らかになっていない。防衛省幹部によると、生産した米ボーイング社に実物を運んで検証してきたという。賠償責任に直結することなどから、最終報告について「慎重にやる必要がある」とする。
事故当時、佐賀空港(佐賀市)…